エコ・ドライブ
光で動き続ける
エコ・ドライブとは、太陽光や室内のわずかな光を電気に換えて時計を動かし続ける、シチズン独⾃の技術です。定期的な電池交換が不要。たった一度のフル充電で半年以上動き続けます。シチズンが世界初のアナログ式光発電時計を発売したのは1976年。以来、シチズンはこの分野のパイオニアとして、新しい可能性を切り拓いています。
電池交換?
不要です。
クオーツ時計にとって、電池交換はあたりまえのものでした。その概念を変えたのが光発電技術です。エコ・ドライブなら、定期的な電池交換が不要。光に当てて充電することで、いつ電池が切れるか不安になることもありません。
部屋の光でも
動きます。
エコ・ドライブは、部屋の照明やデスクライトのような、わずかな光でも腕時計を駆動できるように設計されています。生活の中で腕時計が止まる心配をすることなく、安心して使うことができます。
※ より安心してご使用していただくため、月に一度5~6時間直射日光に当てて充電することをお勧めしております。
フル充電で
半年以上。
常に光が必要?いいえ、エコ・ドライブは、たった一度のフル充電で暗闇でも半年以上*駆動可能。パワーセーブ機能を搭載した7年間持続可能なモデルや、2023年には一度のフル充電で365日動き続けるモデルが登場するなど、進化し続けています。
* 一部、駆動期間が半年未満のモデルもあります。
エコマーク商品に認定されました。
エコ・ドライブは、環境保護の観点からも評価を受け、日本では1996年に腕時計として初めて「エコマーク商品」に認定されました。
また2014年には、腕時計を通じて、消費者のエコ意識向上に貢献したことが評価され、時計業界で初めて「エコマークアワード 金賞」を受賞しました。
About Eco-Drive
エコ・ドライブには
こんな技術が詰まっています。
腕時計を動かす小さな光発電所です。
「変換する」「蓄える」「動かす」。
これがエコ・ドライブの基本的なしくみです。
エコ・ドライブのしくみ
透けるのに透けない?
文字板にも秘密が。
エコ・ドライブの多くのモデルでは、文字板の下にソーラーセルがあります。文字板が不透明だと光が届かないので発電できません。でも文字板を透明にしすぎると下のソーラーセルが見えて美しくありません。つまり、光を透過させながら、見た目には透けない文字板の開発が重要です。少ない光でも効率的に発電できるように、文字板にもエコ・ドライブを支える技術が隠れています。
デザインの可能性を広げる
2つのソーラー。
モデルの特性に合わせてソーラーセルを使い分けることで、さまざまなデザインの時計が生まれます。
スタンダードソーラー
文字板の下にソーラーセルを配置するタイプ。多くの光がソーラーセルに届くことで効率的にエネルギーを変換できるので、GPS衛星電波時計をはじめ、たくさんの動力を必要とするさまざまなモデルで採用されています。
リングソーラー
文字板の外周にリング状のソーラーセルを配置するタイプ。文字板に光を透過する素材を使う必要がないので、さまざまな種類の文字板を使用することができます。
光が生み出すパワーを
長持ちさせる技術。
光によってつくられるエネルギーは、とても小さいもの。そこで、いかに持続させることができるかが重要になります。特に先進機能を搭載したモデルでは、たくさんのエネルギーを使うため、ICプログラムや回路、モーターの改良を重ねることで、省電力化を追求しています。エコ・ドライブの進化は、省電力化の進化の歴史でもあるのです。
パワーセーブ機能 暗いところでは、眠ります。
光が当たらない状態が一定時間続くと「パワーセーブ機能」がはたらき、針が止まり節電状態に。パワーセーブ中でも時計内部で正しく時を刻み続け、光が当たり発電が開始されると再び針が動き出します。
※パワーセーブ機能がないモデルもあります。
充電警告機能 充電切れを、事前にお知らせ。
時計の電池残量が少なくなると「充電警告機能」がはたらき、秒針が2秒ずつの動きに。その状態でも時計内部で正しく時を刻み続け、再び充電することで1秒運針(通常)に戻ります。
新しい素材から
美しい表情が、次々と。
シチズンでは、光を透過させて時計を動かす発電量を確保しつつ、美しさを表現できる文字板素材を模索してきました。現在では、自然素材の和紙をはじめ、見る角度によって表情の変わる構造色インク、150ミクロンの薄さで強度と美しさを兼ね備えたサファイアガラス、華やかな白蝶貝など、さまざまなデザインを表現できるようになりました。今後も、文字板の新たな可能性に挑戦していきます。
Eco-Drive Story
エコ・ドライブの
挑戦と進化のストーリー。
腕時計に、
新しいエネルギー源を。
1973年の第一次オイルショック後、新しいエネルギー源の開発は社会的にも大きなテーマとなっていました。シチズンは、この社会的課題に向き合い、腕時計の新たなエネルギー源として太陽光で動く腕時計「光発電時計」の開発をスタートさせました。
1970年代、日本では電池式のクオーツ時計が主流になりつつありました。しかし電池式のクオーツ時計は、電池交換も面倒で、使用済みの電池は廃棄物になってしまう。光発電時計の開発には、これらの課題解決への期待が込められていました。
シチズンから、世界初の
アナログ式光発電時計誕生。
当時のソーラーセルは、厚みがあり割れやすく、時計のような小さなものに組み込むことは非常に困難でした。そんな中、試行錯誤を繰り返し、1974年にプロトタイプが完成。そして、2年後の1976年には世界初のアナログ式光発電時計「クリストロンソーラーセル」が誕生しました。
日常で、
止まらない時計へ。
シチズンが「クリストロンソーラーセル」を発売した1970年代当時、ソーラーセルや発電したエネルギーを蓄えるための二次電池は、発電量や耐久性(寿命)の面で、日常生活で使い続ける腕時計として十分とは言い難く、シチズンの技術者たちも限界を感じていました。
しかし1980年代に入り、薄型で室内光での発電に適したソーラーセルや、寿命が従来より長く、より時計に適した二次電池が登場することで、シチズンの光発電時計の開発は大きく前進することになります。新たな技術を活用し、「日常生活でふつうに使っていても止まらない時計」をテーマに改良に改良を重ね、1986年に世界で初めてフル充電で200時間駆動できるモデルを発売しました。
駆動時間、
6ヶ月以上へ。
駆動時間を1分でも長くすることができたら。そのチャレンジにより、1995年、リチウム二次電池を採用し、フル充電で6ヶ月間駆動できるモデルを開発。現在のエコ・ドライブにつながる金字塔モデルが誕生しました。
その前年には、他社メーカーの光発電と技術的にも機能的にも差別化を図るために「エコ・ドライブ」というネーミングが誕生。光を動力源として時計を駆動するという仕組みだけではなく、「エコ(Eco)」には環境へのやさしさが、そして「ドライブ(Drive)」には、使い続けることでお客様一人ひとりに環境意識を高めてもらいたいという思いが込められています。
より薄く、小さく、
多機能に。
その後、ICプログラムやモーターなどの改良を重ね、さまざまなデザインが可能となり、もはやエコ・ドライブは特殊なものではなく、電波時計やダイバーズウオッチ、クロノグラフ、女性用の小型腕時計などシチズンの腕時計の根幹となる技術となりました。
エコ・ドライブ誕生から40年を迎えた2016年には、世界最薄*厚さ1.00mmの光発電エコ・ドライブムーブメント Caliber 8826を搭載した「Eco-Drive One」が誕⽣しました。
*アナログ式光発電ムーブメントとして。2023年11月末時点、当社調べ。
駆動時間、
365日へ。
新たな時代に、より多くの人々に、より快適な時を提供することを目指して、シチズンはたった一度のフル充電で365日動き続ける光発電エコ・ドライブムーブメント Caliber E365を開発。これを搭載した「Eco-Drive 365」を発表し、エコ・ドライブの歴史に新たな1ページが加わりました。
終わりのない、
改善。
私たちはブランドステートメントである「Better Starts Now」の信念のもと、エコ・ドライブを搭載した腕時計の美しさ、小型化、薄型化、軽量化、多機能化を追求し、また数多くの光発電時計としての世界初を発表してきました。機能性、利便性、美しさへのこだわり。シチズンのエコ・ドライブの新しい挑戦はこれからも続きます。
※ 現在は生産されていないモデル、日本未発売モデルも掲載されています。